Part 1: 企業向け英語研修のROIを最大化する:離職防止とグローバル対応力の強化

イントロダクション:見過ごされがちなコミュニケーション障壁のコスト
とある東京の会議室で、5人の日本人エンジニアがアメリカやヨーロッパの同僚たちと行うプロダクト企画オンライン会議に参加している。国際チームは技術的アプローチを議論し、スケジュールに関する懸念を挙げ、日本人エンジニアたちもその内容をすべて理解しており、そのうち2人は提案された実装方法に深刻な懸念を持っていた。
しかし、プロジェクトリードが「東京チームから何か意見は?」と尋ねると、沈黙が続く。1人のエンジニアは、慎重に言葉を選びながらチャットにコメントを入力送信ボタンを押す頃には、議論はすでに次の話題に移ってしまっていた。
6ヶ月後、そのエンジニアの1人は、英語を必要としない国内志向の企業へ転職した。技術的には卓越していたものの、英語でのコミュニケーションに制限を感じ、国際的な同僚が自信を持ってプロジェクトをリードするのを横目に、成長の機会を逃していると感じていたのだ。
このような状況は、日本のテック企業で日常的に起きています。問題は、従来の意味での「英語力」ではありません。多くの日本人社員は技術文書を読むことができ、プレゼンも理解できます。問題は、リアルタイムのコミュニケーションに積極的かつ自信を持って参加することです。このギャップは、才能ある社員が能力を十分に発揮できない、重要な視点が共有されない、競合に先を越されるなど、ビジネス上の明確な損失を生み出しています。
企業向け英語研修が適切に設計されていれば、こうした深刻な課題に対応できます。優秀な日本人エンジニアの離職防止、技術専門家の積極参加の促進、そして国際市場で競争できる組織基盤の構築につながっていきます。
離職防止:優秀な日本人エンジニアをつなぎとめる
日本の競争が激しいテック業界では、英語によるコミュニケーションの壁が独特の離職リスクを生み出しています。高い技術力を持ちながら英語に苦手意識がある社員の多くが、「キャリアが伸び悩んでいる」と感じています。その背景には、グローバルプロジェクトのリーダー選抜が技術力ではなく、英語でのコミュニケーション能力によって左右される場面が多いことがあります。
特に国際展開を進める企業では、このフラストレーションは深刻です。最適な技術的解決策を持つシニアエンジニアであっても、英語で行われる会議でのプレゼンをためらってしまうことがあります。チームリーダーは、海外のステークホルダーに対して非現実的なスケジュールへその場で反論することに苦労し、時間が経つほどに「技術力だけでは通用しない」と強く実感するようになります。
従業員の70%が、研修やスキル開発に投資する企業への転職を検討すると研究は示している。こうして、技術力ではなく英語の壁によってキャリアが制限されると感じた日本人エンジニアは、より国内志向の企業に活躍の場を求め、専門知識とノウハウを持って離職していくのです。
この影響は採用コストだけでは済まされません。知識の損失は大きく、チームの連携は弱まり、プロジェクトの momentum(推進力)は低下します。それでも96%の企業が、研修とスキル開発が離職防止に役立つと考えているのです。
英語研修は、こうした課題を解決するための最も直接的なアプローチとなります。日本人プロジェクトマネージャーが英語力を強化すれば、海外パートナーに対してプロジェクトの制約や背景を自ら説明できるようになります。テクニカルリードも、実装上の課題をリアルタイムで共有し、議論に主体的に参加できるようになります。
さらに、こうした研修を提供すること自体が、企業が日本人社員の専門性を正当に評価し、彼らの成長を本気で支援しているという明確なメッセージになります。
エンゲージメント:沈黙の壁を破る
多くの日本人エンジニアが直面している課題は、英語の議論を「理解すること」ではありません。「発言すること」です。日本の約70%の人が英語に対してネガティブな感情を持っているという調査がある。文法中心で実践的会話を軽視した教育による影響が大きく、社会人になっても英語を話す際の不安として残り続けているのです。
実際、これらの問題は「積極的沈黙」という形で表面化します。日本人チームメンバーは技術内容を十分理解していても、発言に踏み出せないことがあります。発音への不安、相手の発言を遮ることへの文化的ためらい、完璧を求めるあまり言葉を選びすぎてしまうこと、そして間違いを恐れる気持ち——こうした要因が重なり、価値ある意見が共有されないのです。結果として、沈黙が「賛成」と誤解されてしまうケースも少なくありません。
HRおよびL&Dのリーダー10人中7人は、英語力に不安を抱える社員ほど発言機会が減り、その分昇進のチャンスも狭まると認識しています。この 「参加ギャップ」は、プロジェクトの質を下げるだけでなく、優秀な人材の長期的なエンゲージメントにも影響を与えます。
効果的な英語研修は、こうした「自信の課題」に直接アプローチします。日本人社員が会議で発言するための実践的なスキルを身につけることで、積極的に議論へ参加できるようになります。
- 日本人エンジニアが、誤解を防ぐための「確認質問」を自然に使えるようになる
- テクニカルリードが、進捗や課題を安心して説明できるようになる
これは単なる語学力向上ではなく、プロジェクト成果にダイレクトに影響する ビジネス上の改善 なのです。
グローバル対応力:国際市場で競争力を維持する
グローバル対応力は、海外進出を目指す企業に限った話ではありません。中国や韓国のテック企業が急速に国際存在感を強める中、日本企業が競争力を保つために、グローバル対応力は必要な基盤です。英語による意思疎通の遅れは、意思決定スピードの低下を招き、競争上の不利益を生むことにも繋がります。
たとえば、海外チームと共同で進める重要なプロジェクト。英語コミュニケーションが弱ければ、やり取りは文書やメール中心となり、遅延が発生します。一方、競合他社のエンジニアがリアルタイムで直接コミュニケーションできれば、進行速度は圧倒的にあがります。また、ビジネス開発においても、英語が話せる数名の社員に依存する企業と、複数の日本人社員が海外パートナーと直接やり取りできる企業とでは、成長スピードに差が出るのは明確です。
96%の企業は、すでに1つ以上の言語トレーニングを提供しています。日本のテック企業にとって、これは競争力を維持する上で欠かせない重要な投資です。海外クライアントやパートナーと直接コミュニケーションできるようになれば、意思決定は迅速化し、日本人技術者の専門性がグローバル戦略に反映されるようになります。
競争上の影響も大きいです。日本のテック企業は、組織の俊敏性が勝敗を左右する局面に直面しています。日本人エンジニアが国際会議で主体的に意見を述べ、日本人プロジェクトマネージャーが海外チームと直接連携できるようになれば、組織はより速く、より的確に動くことができます。英語力の向上により国際拠点を最大限に活用し、真のコラボレーションを実現することで、「グローバル対応が苦手な会社」というイメージから脱却することが可能です。

ROIの測定:実践的アプローチ
英語研修のROIを測定することは、従来「ソフトスキル」投資が優先されづらかった日本企業にとって難しい課題です。しかし、戦略的にアプローチすれば、そのビジネス効果を明確に示すことができるでしょう。
まず、業務指標から研修効果を確認します。英語コミュニケーションの課題によって発生するプロジェクト遅延を、研修前後で比較します。また、国際会議における日本人社員の発言量を測定することで、英語力向上がプロジェクト効率にどのように影響するかを可視化できます。
離職率も重要な指標です。国際業務を担う日本人技術者の離職率を追跡し、退職理由に「英語によるキャリア制限」が含まれているかを調査します。離職防止によるコスト削減だけでも、研修への投資は十分に正当化されます。
さらに、社員アンケートによる自己評価も有効です。研修前に英語への自信やキャリア不安のベースラインを取得し、定期的に変化を測定します。具体的には以下の項目を確認します。
- 英語会議で技術的懸念を適切に表明できるか
- 海外同僚と良好な関係を構築できているか
こうした自己評価の変化は、研修効果を示す重要な指標となります。
最後に、研修成果を企業の戦略目標と結びつけます。たとえば、海外事業の拡大を目指す企業であれば、英語力の向上がどのようにその達成を支援しているかを評価します。研修が経営目標に直結していることを示せれば、投資対効果(ROI)の説得力は格段に高まります。
結論:競争力強化のための戦略的投資
グローバル市場で競争力を高めるうえで、日本のテック企業にとって英語研修は重要な課題です。優秀なエンジニアの離職を防ぎ、専門人材が国際的なプロジェクトに積極的に関われる環境を整えることは、組織の国際競争力を高める基盤となります。
英語研修の導入による ROI(投資対効果)は多面的です。離職防止による専門性の維持や採用コストの削減に加え、海外チームとの協働や国際プロジェクトへの貢献もより効果的になります。技術者自身が言語のハードルを感じずにプロジェクトに参加できることで、成果の質やスピードも向上します。
74%の企業が言語研修への投資を増やす計画があることからも、その重要性の高まりがうかがえます。競争が激化し、国際協働が標準となる中で、日本企業にとって英語力は競争優位を生む重要な要素です。日本人社員が国際議論に自信を持って参加できる企業は、迅速かつ効果的に動くことができます。
戦略的に、実際のビジネスニーズに即して十分な期間を確保し、継続的に取り組むことで、英語研修は単なる語学教育ではなく、グローバル市場で競争するための「組織的競争力への投資」として本来の価値を発揮します。
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現在抱えているコミュニケーション上の課題やニーズがあれば、ぜひお聞かせください。
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