コラム

社員向けビジネス英語研修の効果を最大化する5つの方法

はじめに:研修と実務のギャップ

日本企業は毎年、企業向け英語研修に数百万円、場合によっては数千万円を投資しています。社員は研修に参加し、課題をこなし、修了証を受け取ります。しかし6か月後、海外の同僚が会議に参加すると、結局日本語に切り替わってしまいます。海外パートナーとのメール対応も、いまだに翻訳サポートが必要です。英語研修は形式上は成功していますが、職場でのコミュニケーションは変わっていません。

これは、決して珍しい状況ではありません。研修内容のうち、実際の職場で活用されるのは10〜20%に過ぎないという調査や、研修で学んだスキルを実務に効果的に活かせている社員はわずか12%というデータもあります。問題はカリキュラムの質や講師の専門性ではありません。職場での英語コミュニケーションを本当に変える研修と、単なる「受講実績」で終わる研修の違いは、多くの企業が見落としている5つの重要な成功要因にあります。

これらを理解すれば、英語研修は単なるコンプライアンス対応から、競争優位を生み出す戦略投資へと変わります。では、実務に本当の成果をもたらす研修と、形だけで終わる研修の違いは何なのか?早速見ていきましょう。


1. 研修内容を日常業務に直接結びつける

多くの企業が見落としている点:
プレゼンテーション、会議、メールといった汎用的なビジネス英語を扱い、受講者の実際の業務内容とかけ離れたカリキュラムになっている点です。社員は「いつか使うかもしれない英語」を学び、「明日必要な英語」を学んでいません。

典型的な例として、エンジニア、営業、管理職が同じ「効果的なプレゼンテーション」や「ビジネスメール作成」の研修を受けるケースがあります。エンジニアは海外の開発チームと技術仕様を議論する必要があります。営業は契約交渉や顧客関係構築が求められます。管理職は英語で意思決定や戦略的議論を行う必要があります。画一的な研修では、どの職種のニーズも満たせません。

これは学習定着の基本原則にも反しています。研修後のスキル定着には同僚や上司のサポートが重要であるという研究がありますが、内容が業務と無関係であれば、どれだけ組織的支援があっても効果は限定的です。実際のコミュニケーション課題に結びつかない英語は、理論のままで終わってしまいます。

解決策:業務に直結した研修設計

効果的な企業向け英語研修は、実際の業務と課題をそのまま反映します。具体的には、研修で自社の資料やプロジェクト、実際の業務シナリオを使用し、受講者が自分の役割で使う英語をそのまま練習します。一般論ではなく、目の前のコミュニケーション課題を解決する内容にすることが重要です。

海外の開発チームと英語で技術仕様を説明できるようになるエンジニアや、英語で意思決定を促進できる管理職は、研修の翌日から成果を実感できます。研修内容が実務と直結しているとき、個人のパフォーマンスだけでなく組織成果も向上することが示されています

COMASでは、業界や職種ごとに研修を設計し、研修がそのまま職場での英語コミュニケーション改善につながるよう支援しています。これは英語研修を福利厚生ではなく、事業成長のための投資として位置づける明確なメッセージになります。


2. 予算承認だけでなく、経営層の主体的な関与を確保する

多くの企業が見落としている点:
経営層は研修予算を承認するものの、英語研修を人事部主導の施策として扱い、その後は関与しないケースです。管理職が参加せず、学習を後押しせず、英語を使う機会も作らず、効率を理由にすべて日本語に戻してしまうことさえあります。

この姿勢では研修は定着しません。社員は「組織として何が本当に重要か」を、上司の行動から判断します。国際的なメンバーがいるにもかかわらず会議を日本語だけで進めたり、英語を使う場を意図的に作らなかったりすると、「英語は重要ではない」というメッセージが伝わります。

研修後にコーチングを受けた中間管理職は生産性が88%向上したという調査もあり、リーダーの関与が成果を大きく左右します。しかし、研修定着を測定する正式な仕組みを持つ企業は35%にとどまっています

解決策:経営層が見える形で関与し、行動で示す

効果的な英語研修には、経営層や管理職の積極的な関与が不可欠です。適切な場面で英語を使う姿勢を示し、業務の中で英語を使う機会を意図的に設け、英語研修を人事施策ではなく経営課題として位置づける必要があります。進捗や成果を公に評価し、管理職自身も学習者をどう支援するかを理解することが重要です。

すべての会議を英語にする必要はありません。たとえば、日本人マネージャーが顧客との打ち合わせを英語で始めたり、会議中にあえて英語で質問したりするだけでも、「英語は重要だ」という明確なシグナルになります。

こうした後押しがなければ、どれほど優れた研修でも行動変容にはつながりません。研修中の活動よりも、研修後の組織的支援や上司の関与の方が定着に強く影響するという研究もあります。

3. 短期的な即効性ではなく、長期的な成長を前提に設計する

多くの企業が見落としている点:
短期間の集中プログラムで劇的な変化を期待し、成果が持続しないと失望するケースや、継続的な研修を提供しているものの、明確な成長ステップがなく、受講者が伸び悩んでしまうケースです。

語学学習には継続的な投資が必要ですが、それは何年も成果が出ないという意味ではありません。英語学習では、数か月以内に特定のコミュニケーション分野で明確な改善が見られることが分かっています。これらの小さな進歩は、すぐに職場での価値につながります。3か月前には英語会議で発言できなかった社員が、基本的な意見を述べられるようになり、6か月後には議論をリードできるようになることもあります。こうした段階的な成長は、即座に業務成果として現れます。

短期集中型プログラムの問題は、成果が出ないことではありません。継続的な実践と支援がなければ、その成果が定着しない点にあります。研修内容のうち10〜20%しか職場で活用されないのは、研修を単発イベントとして扱っている企業が多いためです。使われないスキルは急速に衰えてしまいます。

一方で、明確な成長ステップを持つ継続型プログラムは、学習の勢いを生み出します。社員は自分の成長を実感でき、それがさらなる学習意欲につながります。高度なビジネス英語力の習得には相応の時間が必要ですが、実務に役立つコミュニケーション力は、その過程で継続的に向上します。目指すべきは完璧な英語ではなく、業務成果を改善する実用的な英語力です。

解決策:明確な成長ステップを持つ継続的なプログラム

効果的な英語研修は、語学習得の現実を踏まえつつ、学習意欲を維持します。大きな変革を目指す場合、少なくとも12か月以上の継続を前提とし、現在のレベルから目標レベルまでの道筋を明確に示す必要があります。定期的な評価と進捗に応じたプログラム調整、学習を継続させるための仕組み、過度な期待を生まない現実的な期間設定も重要です。

これは終わりの見えない研修を意味するものではありません。COMASでは、多くの場合3〜6か月単位で段階的にプログラムを設計し、明確な到達点を設定しています。1つの段階を修了した社員が次のレベルへと進み、段階的に英語力を積み上げていく考え方です。

重要なのは期待値の調整です。6か月のプログラムでも、特定のコミュニケーション分野で測定可能な改善は実現できます。一方で、包括的なビジネス英語力を身につけるには、単発の研修を超えた継続的な取り組みが必要です。英語研修は一度きりの施策ではなく、継続的な人材開発として計画することが求められます。


4. 測定と実践によるアカウンタビリティを構築する

多くの企業が見落としている点:
出席率や修了率は測定しているものの、実際の職場で英語が使われているか、コミュニケーションが改善しているかを測っていない点です。学んだ内容を業務で使う責任が明確にされておらず、研修が日常業務と切り離されています。

この測定不足が、研修修了と業務成果が結びつかない理由です。経営層の75%が研修の定着に不満を感じているにもかかわらず、多くの企業は依然として誤った指標を使い続けています。出席したことは証明できますが、学習や実践を証明するものではありません。

解決策:使用状況を重視した測定と明確な期待設定

効果的なアカウンタビリティは、出席ではなく実践に焦点を当てます。職場での英語使用状況を測定し、研修と研修の間に学んだ内容を使うことを明確に期待値として示します。実際のメール、会議での発言、プレゼンテーションなどの業務成果物を研修に取り入れ、職場のコミュニケーション目標に基づいた定期評価を行います。管理職が、適切な場面で英語が使われているかを把握することも重要です。

具体的には、海外メンバーへの英語メールの割合、英語会議への積極的参加、英語で進めるプロジェクトの完遂、職種ごとに重要なコミュニケーション能力の改善などが指標になります。

この仕組みは罰則的である必要はありません。期待値を明確にし、自然な実践機会を生み出すことが目的です。次回の研修で英語で業務内容を共有すると分かっていれば、社員はすぐに英語を使い始めます。月に1回、英語で部門会議を進行することが期待されていれば、管理職はその機会を意識的に作ります。

組織風土と支援体制が研修効果に大きく影響することが示されており、業務と結びついたアカウンタビリティは不可欠です。


5. 実際のビジネスコミュニケーションニーズに研修を合わせる

多くの企業が見落としている点:
社員が直面している具体的な課題ではなく、あらゆる内容を網羅的に扱う研修を行っている点です。エンジニア、営業、管理職がまったく同じ内容を受講しているケースも少なくありません。

この方法では、限られた研修時間が無駄になります。エンジニアが営業交渉の英語を練習しても実務には活かせませんし、営業が技術仕様の専門用語を学んでも効果は限定的です。業務ニーズと合っていない研修は、エンゲージメントも定着率も下がります。

解決策:ニーズ分析に基づく職種別カスタマイズ

効果的な研修は、最初に具体的なコミュニケーション課題を特定することから始まります。エンジニアには技術的な説明力、営業には顧客対応や交渉力、管理職には戦略的議論や意思決定のための英語が求められます。すべての職種に共通して、自社特有の用語や文脈に合わせた英語が必要です。

限られた時間は、最もインパクトの大きい課題に集中すべきです。COMASでは、プログラム設計前に詳細なニーズ分析を行い、社員が直面している実際のコミュニケーション障壁に焦点を当てています。

このアプローチにより、社員は研修内容を自分の業務とすぐに結び付けて理解できるため、成果が早期に、かつ分かりやすく表れます。日常業務の課題解決に直結した研修は、無理なく実践され、結果として活用率の向上につながります。


結論:カリキュラムよりも統合が重要

職場の英語コミュニケーションを本当に変える研修と、成果が出ない研修の違いは、教材や講師の肩書きではありません。業務への統合、経営層の主体的関与、現実的な期間設定、アカウンタビリティ、職種別カスタマイズという5つの成功要因を押さえているかどうかです。

これらを実行するには、汎用的な研修を導入するよりも手間がかかります。経営層のコミットメント、丁寧なニーズ分析、継続的な測定、組織全体での取り組みが必要です。しかし、その投資に見合うROIがあります。これらの要因を満たしたプログラムは、職場での英語コミュニケーション改善、社員エンゲージメント向上、グローバル競争力の強化につながります。

日本のテック企業は、国際市場における競争を一層激化させています。パートナーや顧客、海外の同僚と英語で自信を持って円滑にやり取りできる組織は、意思決定のスピードと実行力において大きな優位性を築くことができます。
こうした5つの要因を踏まえた企業向け英語研修は、単なるコストではなく、競争力を高めるための戦略的な組織能力となります。

問われているのは、包括的な英語研修に投資できるかどうかではありません。成果につながらない研修に、これからも投資し続けるべきかどうかです。


COMASで企業向け英語研修を変革する

COMASでは、効果的な企業向け英語研修は、社員の実際の業務と直結していなければならないと考えています。私たちのプログラムは、業界・職種・具体的なビジネスコミュニケーション課題に合わせて完全にカスタマイズされ、研修成果がそのまま職場の成果につながる設計になっています。

経営層と連携し、明確な成長ステップとアカウンタビリティを備えた、持続可能なプログラムを構築します。これから英語研修を導入する企業様も、既存施策の効果を最大化したい企業様も、ぜひご相談ください。

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