コラム

パート3:海外企業における企業向け日本語研修・英語研修導入のメリット

はじめに:誤った選択

次のような場面を想像してみてください。ある日本のテック企業の人事担当者が語学研修の予算承認を受けます。経営陣から出た質問はたった一つ。「日本人社員向けの英語研修に投資すべきか、それとも外国籍社員向けの日本語研修に投資すべきか?」

この問いは、語学研修がゼロサムであり、どちらか一方を選ばなければならないという前提に基づいています。しかしこれはコスト削減のつもりで選択肢を狭めた結果、企業が本来得られるはずの価値を取り逃す「誤った選択」です。一方向だけの語学研修に投資すると、本質的なビジネス価値を大きく失ってしまいます。

実際には、企業向け日本語研修 企業向け英語研修 の両方を導入することで、それぞれ単独では得られないシナジーが生まれます。双方向の語学投資は単なるコミュニケーション向上にとどまらず、組織文化を変革し、統合を加速させ、「双方が協働する」という姿勢を可視化します。一方の研修だけでは決して実現できない価値です。


シナジー効果:お互いが「歩み寄る」構造

日本人社員だけが英語を学ぶ場合、コミュニケーション負担は全面的に一方へ偏ります。暗黙に伝わってしまうメッセージは「グローバルビジネスではあなたが適応すべき」というものです。外国籍社員だけが日本語を学ぶ場合も構造は同じで、「統合とはあなたが同化すること」というメッセージになります。どちらの方向でも、暗黙の上下関係が生まれ、真のコラボレーションを妨げてしまいます。

しかし、両方向で語学を学ぶとどうなるでしょうか。英語を学ぶ日本人エンジニアと、日本語を学ぶ外国籍社員が対面したとき、どちらかが一方的に負担する構造ではなくなります。お互いが語学習得の大変さを身をもって理解し合い、相手に対する敬意が自然と生まれます。この「共通体験」こそ、一方向の語学研修では決して得られない価値です。

実務上のコミュニケーション効果も大きくなります。グローバル企業で働く非ネイティブ英語話者のうち、職場で効果的にコミュニケーションできていると感じるのはわずか7%という調査があります。 双方向から同時に改善が進むと、言語的な距離を一方だけがすべて埋める場合と比べ、組織全体としてのコミュニケーション改善スピードが圧倒的に早まります。

この「真ん中で会う」というダイナミクスは日常業務にそのまま表れます。日本人社員が英語で発言しやすくなり、外国籍社員は日本語での試みがしやすくなり、会議や議論がよりバランスの取れたものになります。結果として、より多様な声が集まり、より多様なアイデアが交わされ、イノベーションが生まれやすくなります。

さらに、双方向の語学研修は自然と会話をする機会を生み出します。休憩中にお互い練習したり、言語パートナーを組んだりといった形で、語学力と人間関係の双方が強化されます。純粋な業務協働では生まれにくい結びつきを作ります。


組織文化の変革

語学研修への投資は、そのまま企業がどのような価値観を持つかを示すメッセージになります。一方向の研修では「グローバルスキルを重視している」もしくは「外国籍社員の統合を支援している」という片方向のメッセージにとどまります。しかし両方向への投資は、「全員のコミュニケーションを重視している」「多様な観点が平等に貢献できる組織をつくる」という明確な姿勢を示します。

日本人社員にとっては、外国籍社員だけに日本語を学ばせるのではなく、自分たちにも英語研修を提供することで、企業がグローバルキャリアの発展を重視していることが伝わります。激しい採用競争のあるテック業界では、こうした成長支援が定着率向上につながります。

外国籍社員にとっても、双方向の投資は統合経験を大きく変えます。一方的に適応を求められるのではなく、組織が「お互いに歩み寄る」姿勢を示すことで、企業への信頼と安心感が生まれます。職場で75%の従業員が孤立感を経験しているという調査がありますが、その要因の一つが言語の壁です。日本語と英語の両方向で研修があると、「適応は外国籍社員だけの責任ではない」というメッセージが明確になります。

語学学習そのものが文化的理解を深める効果を持っています。日本人社員は英語学習を通じて外国籍社員が直面している課題に共感でき、外国籍社員は日本語学習を通じて日本人社員の努力を理解できます。これにより、言語と文化の分断から生まれる「私たち vs 彼ら」という構造が弱まり、組織全体の心理的安全性が高まります。

さらに、多様でインクルーシブなチームは87%高い確率でより良い意思決定を行い、製品の市場投入も75%早いという研究結果があります。 しかし多様性が真の価値を生むのは、インクルージョンが伴うときだけです。双方向の語学投資はその基盤を作ります。


実務面でのビジネスメリット

双方向の語学研修は、業務効率にも大きく影響します。双方のコミュニケーション能力が向上することで、認識のズレが減り、確認作業が短縮され、プロジェクト連携が円滑になります。米国企業の10社中9社が、英語以外の言語スキルを持つ社員を必要としているという調査もあり、マルチリンガル人材はもはや贅沢品ではなく、事業に不可欠な存在です。

定着率の向上も大きな効果です。70%の従業員が、研修や育成に投資する企業に長く留まる傾向があるという研究結果があります。両方向への投資は、日本人社員・外国籍社員の両方に「自分は大切にされている」という感覚を生み、組織全体の離職率低下につながります。採用・オンボーディング・生産性低下などのコストを考えると、この定着率向上だけでも投資に十分な価値があります。

チームコラボレーションの質も向上します。英語力を伸ばした日本人社員は英語の場でも発言しやすくなり、日本語力を高めた外国籍社員はインフォーマルな会話や背景の理解がスムーズになります。結果として、情報が言語の壁で滞るのではなく、双方向に流れる状態が生まれます。

イノベーション面でも効果があります。外国籍社員の国際的な視点と日本人社員の市場理解や技術知識が、言語の壁を超えて共有されることで、より優れたアイデアが生まれます。一方向だけの語学研修ではこの連携が限定的になりますが、双方向での投資によりその壁が大きく取り除かれます。

顧客・パートナーとの関係強化にもつながります。英語と日本語の両方に強みを持つチームを国際プロジェクトに投入できるため、海外のステークホルダーとも国内チームとも円滑に連携できます。数名のバイリンガル社員だけに依存する構造から脱却できる柔軟性は、グローバルに事業を展開する企業にとって大きな価値です。


実行方法:統合的アプローチで導入する

双方向の語学研修(日本語研修・英語研修)を導入する際、多くの企業が懸念するのが予算管理や運用負担です。しかし、Comas のように 企業向け日本語研修 企業向け英語研修 の両方を提供する研修会社と連携することで、これらの課題は大幅に軽減されます。

たとえば、Comas のようなバイリンガル研修を一括で提供できるパートナーを選ぶことで、管理窓口の一本化、研修方針・品質の一貫性、進捗・成果の統合管理、といったメリットが得られます。両プログラムが相互に連動し、補完し合う設計になるため、複数ベンダーを個別に管理するよりも、圧倒的に効率的かつ戦略的です。

双方向の語学研修は、必ずしも同じ規模で導入する必要はありません。日本人社員にはより高度な英語研修が必要な場合もあれば、外国籍社員にはまず基礎的な日本語研修が必要な場合もあります。社員構成や業務内容に合わせてスケール調整が可能です。重要なのは「両方向をカバーしていること」であり、「完全に同規模であること」ではありません。

実際には、まず英語研修(または日本語研修)から開始、成果が見えた段階で反対方向を追加。という段階的導入を行う企業も多く見られます。大切なのは、語学研修を一方向に固定してしまわず、将来的に双方向へ広げる明確なロードマップを持つことです。

双方向への投資が少額であっても、十分な相乗効果が期待できます。外国籍社員が基礎的な日本語を身につければ日常の会話に参加しやすくなり、日本人社員が中級レベルの英語を習得すれば技術的な議論にも参加しやすくなります。たとえ進捗が非対称であっても、相互理解と文化的橋渡し効果は確実に生まれます。


統合的ROIの測定

双方向の語学研修におけるROI(投資対効果)は、個別プログラムの成果だけでなく、両方向投資による相乗効果まで含めて評価することが重要です。離職率やエンゲージメント率、コミュニケーション改善度、業務パフォーマンスなど、一方向の研修でも使われる一般的な指標はもちろん重要です。語学研修のROIが100%を超えるという研究 もあり、十分に投資価値があります。

双方向の語学研修では、以下のような独自の効果測定も可能です。。異文化協働の質、プロジェクト連携のスムーズさ、多様なチームから生まれるアイデアの質やスピードなどを測定します。コミュニケーションの障壁による遅延が、通常の一方向研修だけでは得られないレベルで減少するケースもあります。

従業員エンゲージメント調査も有効です。日本人社員と外国籍社員それぞれに対し、「企業が自分の成長を重視していると感じるか」「異文化間のコミュニケーションが改善したか」「意思決定に参加しやすくなったか」などを確認すると、言語スキルの向上を超えた文化的変化を定量化できます。

採用と定着のデータも重要です。双方向の語学投資は、日本人社員には「グローバルキャリアを築ける会社」として、外国籍社員には「真に統合を支援してくれる会社」として魅力を高めます。結果として、両方のタレント市場で競争優位性を獲得できます。

最後に重要なのは、語学研修を単なるコストではなく、企業戦略と結びついた投資として捉えることです。海外展開を目指す企業にとって、双方向の語学能力は大きな成長の動力になります。多様なチームからのイノベーションを重視する企業にとっては、その基盤になります。統合的な語学研修は、組織の競争力そのものを高めます。


結論:インクルーシブなコミュニケーションへの戦略投資

日本で事業を行うグローバル企業にとって、本当の問いは「日本語研修と英語研修のどちらを選ぶか」ではありません。「双方向の語学投資によってインクルーシブなコミュニケーション文化を築くか、それとも一方向のコミュニケーションによる制約と隠れたコストを受け入れるか」です。

ビジネス的な答えは明確です。双方向の語学研修はコミュニケーション改善のスピードを高め、人材定着を強化し、イノベーションを促し、組織文化を包括的に変革します。これらは一方向の研修だけでは決して得られません。双方向の語学研修を導入し、相乗効果が生まれることで、投資価値はさらに高まります。

また、グローバルタレント市場では、統合支援と多様な人材の育成に本気で取り組む企業の方が優秀な人材を獲得できます。グローバルキャリアを求める日本人社員、統合支援を求める外国籍社員のどちらに対しても、双方向投資は強い魅力になります。

重要なのは、語学研修を「別々の施策」ではなく「統合された経営戦略の一部」として設計することです。Comas が提供する日本語・英語双方の企業向け研修 を組み合わせて活用することで、研修品質の一貫性、運用の効率化、そして企業全体の戦略との整合性を保ちながら、双方向の語学研修を推進できます。

双方向の語学投資を行う企業は、そうでない企業にはない競争力の源泉を手にします。意思決定のスピード、部門や国籍を越えた協働力、多様な視点を活かす力が向上し、競争が激化するグローバル市場において持続的な優位性を築くことができます。

選ぶべきなのは、日本語研修か英語研修か、ではありません。コミュニケーションの壁を残したままの組織であり続けるのか。それとも、双方向の語学投資によって、より効率的で、インクルーシブで、グローバルに強い組織をつくるのか。

語学研修を統合的に設計することが、これからの企業競争力を左右します。


インクルーシブなコミュニケーションを実現しませんか?

Comas では 企業向け日本語研修 企業向け英語研修 を統合的に提供し、組織のコミュニケーションの変革を支援しています。日本人社員・外国籍社員の双方に合わせて柔軟にカスタマイズ可能なプログラムで、最大限の効果を実現します。

双方向の語学研修を導入する準備ができている企業の方も、まずは自社の課題や目標を相談したいという方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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