まずは聞く、その次に教える:Ben Belcherによるビジネスパーソンの英語発話力を引き出す方法

日本で働く多くのビジネスパーソンにとって、職場で英語を使う際の課題は、必ずしも文法や語彙の問題ではありません。むしろそれは、長年の教科書中心の学習によって築かれた「壁」であり、それが実際の職場コミュニケーションにうまく結びついていないことに起因しています。この壁を乗り越えるには、単に質の高い指導だけでは不十分です。教える前に、まず相手の話を深く理解できるトレーナーの存在が不可欠です。
これはBen Belcherの考え方であり、COMASでのセッションで毎回取り入れている方法です。
目次
トレーナー紹介:Ben Belcher

Benの語学教育へのキャリアは、一直線ではありませんでした。2008年に大学を卒業後、教育分野でのキャリア構築と日本語力の向上を目指してニューヨークから来日しました。当初はプロの翻訳者になることが目標でしたが、予想外の転機が訪れます。
「語学研修に適性があることに気づき、本当に楽しめるようになりました」と彼は語ります。「当時はさまざまな学習スタイルや年齢層の受講者と関わり、プライベートレッスンから大学の大規模クラスまで幅広い経験を積むことができました」とBenは言います。
その後、Benのキャリアはさらに広がりを見せます。カリキュラム設計の専門性を高め、2012年という早い段階からオンライン教育にも携わってきました。また、帰国子女や海外大学進学を目指す学習者向けの高度なトレーニングを提供するスタートアップでも経験を積みました。これらの経験が、彼の指導スタイルに多面的な深みを加えています。
現在COMASでは、それらすべての経験を活かしながら指導にあたっています。そして、この環境こそが自身の求めていたものであったと語ります。
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なぜCOMASなのか:カスタマイズの自由度
Benが初めてCOMASを知ったとき、注目したのは特定のカリキュラムやメソッドではありませんでした。むしろ、それが「存在しないこと」でした。
「キャリア志向の社会人学習者に再びフォーカスできることに魅力を感じましたが、それ以上に、必ずしも最適とは限らない既存カリキュラムの制約がない点に惹かれました」と彼は説明します。「セッションを柔軟にカスタマイズし、学習者のニーズに直接合わせられる点は、自分の『まず聞き、次に教える』というスタイルと非常に合っていました」
この言葉は単なるモットーではありません。トレーナーと学習者の関係性に対する彼の考え方を反映しています。彼のセッションでは、学習者は受け身の存在ではなく、能動的なパートナーです。セッションの方向性は、トレーナーだけでなく学習者自身によっても形成されます。
「多くの学習者にとって、私のようなトレーナーとの関係は従来の上下関係とは異なると感じられると思います」と彼は語ります。「セッションの内容や進め方、会話の流れに関して、学習者に同等、あるいはそれ以上のコントロールを持ってもらうことを目指しています。対等な関係を築くことで、学習者の主体性を最大限に引き出します」
学習者が本当に必要としていることを見極める
この哲学を実際の成果につなげるためには、単なる姿勢だけでなく、体系的に「聞く仕組み」が必要です。Benはその方法を確立しています。
「各セッションの最初の5分間は、学習者の個人的および職業的な状況を理解するための非常に重要な時間です」と彼は言います。
そこから、日々の業務の中で英語が本当に必要とされる具体的な場面を特定していきます。上層部に対して詳細なレポートをプレゼンする必要があるのか。外部ベンダーと時間制約のあるプロジェクトを調整しているのか。チームメンバーに対して明確かつ自信を持って業務を委任する必要があるのか。
「どのようなケースであっても、まずニーズを特定し、その人の性格や関心に合った最適な形で実践できる環境を提供します」と彼は説明します。
このアプローチは、COMASの英語研修全体に共通する考え方を体現しています。効果的な研修は、単にレベルを測ることからではなく、学習者が実際に何をできるようになる必要があるのかを理解することから始まります。
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オール・オア・ナッシング思考を乗り越える
Benが現場で頻繁に直面する課題のひとつが、彼が「オール・オア・ナッシング思考」と呼ぶものです。英語は完璧に話せなければ意味がない、という考え方です。
「日常的に使っている日本語が、常に文法的に完全で、意図が100%明確かどうかを考えてみてほしいです」と彼は言います。「実際の言語はもっと曖昧で不完全なものです。第二言語として英語を使う場合、ミスを受け入れることが上達には不可欠です」
彼のアドバイスは明確です。コミュニケーションの破綻につながるミスと、理解に影響しない小さなミスを区別することが重要です。重要な単語の抜けや時制の誤りは前者に該当し、注意が必要です。一方で、冠詞の抜けや複数形のミスなどは後者であり、発話を止める理由にはなりません。
「『英語で話す。ミスもする。それでいい』と受け入れる勇気こそが、高い流暢さにつながる唯一の考え方です」と彼は語ります。「そのスキルを身につけるには、実際に使ってみるしかありません」
実際の成長を示すストーリー
Benのアプローチを最もよく表しているのは、彼がこの1年で担当してきたある学習者の事例です。長年同じ会社で働いてきたものの、近年になって業務で英語を使う必要が急激に増えました。学校で学んだ英語と、実務で求められる英語とのギャップは非常に大きく感じられていました。
「英語に対して強い苦手意識があり、自信を失っていると話してくれました」とBenは振り返ります。
印象的だったのは、課題の大きさだけでなく、学習方法そのものを見直そうとする姿勢でした。徐々に、自分の性格やスタイルに合った学習法を試すようになり、変化は英語力だけでなく自己認識にも表れ始めました。
「今では自分自身や能力、そして自分に合った学習方法を選ぶ力に対する自信が大きく高まりました」と彼は語ります。「トレーナーに指示されるのではなく、自分で自己学習を選択するようになりました。職場でも以前より不安が少なく、自信を持って同僚とコミュニケーションを取っています。完璧な英語にするためにテクノロジーに頼るのではなく、不完全でも自分の言葉で伝える価値を理解しています」
Benにとって、トレーナーの指示がなくても学び続けられる状態こそが成功の指標です。「共に努力した結果として、学習者とトレーナーの双方が達成感を得られる好例でした」
高い専門性を共有するチーム
COMASの英語研修の質は、個々のトレーナーだけで成り立っているわけではありません。チーム全体の力によるものです。
「多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが、それぞれのスキルや個性、指導スタイルをセッションに持ち込んでいます」と彼は言います。「トレーナーそれぞれに経験やアプローチはありますが、お互いから学び合い、知識や手法を共有しながら、より高いレベルを目指していく文化があります」
この協働的な環境こそが、COMASで働く大きな魅力のひとつだと彼は語ります。「同僚の創造的なアイデアから常に刺激を受けています」
今後に向けて
Benは、研修の効率化と個別ニーズへの対応力向上についても積極的に取り組んでいます。AIツールの普及初期から活用してきた経験を活かし、セッション教材の質向上や、将来的にはトレーナー間でのリソース共有にも活用していくことを検討しています。
「効率が高まれば、その分だけ学習者の本質的なニーズにより集中できるようになります」と彼は語ります。
学習者と企業へのメッセージ
企業として英語研修の導入を検討している人事・L&D担当者に対して、Benのアドバイスは研修開始前から始まります。
「まずは社員にアンケートを実施し、どこにギャップがあるのか、英語使用に対してどのように感じているのかを把握することを強くおすすめします」と彼は言います。その上で、現実的かつ具体的な目標設定を行い、自社で対応が難しい場合は専門家の活用を検討すべきだと提案します。
個々の学習者に対しては、よりパーソナルなメッセージを伝えています。
「リラックスしながらも主体的に取り組める状態を大切にしています。笑顔で、時には笑いながら自分を表現できる環境こそが、最も効果的な学びにつながると信じています」
COMASでは、このような環境は偶然生まれるものではありません。まず耳を傾け、その後に教えるトレーナーによって意図的に作られています。
学習者を中心に据えた英語研修で、チームのコミュニケーション力を高めませんか。




